ヤマハをカワイの重いタッチでスタインウェイの音にして下さい!

 

ヤマハのアップライトピアノをお持ちなのですが、先生のピアノはカワイのグランドでタッチが重く、家では弾けても先生のピアノでは弾けずに落ち込んでレッスンから帰ってくるとのこと。本番はホールのスタインウェイピアノを使うのですが、もっとタッチを重くしたほうがいいのでしょうか?

という質問がありました。なかなかの状況でございます。カワイはどうやってもカワイだし、スタインウェイはどうやってもスタインウェイ。このヤマハはどうやってもヤマハです。と言い切ってしまえばそれまでですが、ヤマハのピアノがスタインウェイにもならないしカワイと同じにもなりません。最善策はカワイのピアノとスタインウェイピアノを購入することですが、非現実的です。

この場合、ピアノを本格改造するということ以外では、丸い音からきらびやかな音まで演奏で出せるようにするしかありません。これはすなわち、演奏技術を必要とする調整です。ppからffまでのレンジを広くする調律法と、音色をいろいろコントロールできる音色になる道具を使うこと。しかし、調律だけでは限界があります。あとは、整音で繊細なタッチによっていろんな音色が出るようにする。もちろん整調でも、重くも感じて軽快に弾きやすくも感じるといった矛盾した設定にもしないといけないですね。

調律と整音と整調でダイナミックレンジを広くして、いろんな音色を出せる状態で、なおかつ全ての鍵盤のタッチ感を均一にして、音色を揃えることにしました。弾き方によって重くも感じるし軽くも感じる設定。言葉で言うのは簡単です。まあ、いろんなメーカーのいろんな状態のピアノで弾けると言うのは、素晴らしいことで、その辺りのことを知って、自分でピアノの癖などを知った上で曲を表現、コントロールできる技術を磨き上げると言うことですね。演奏者はとにかく練習あるのみ、、。調律師は目の前にあるピアノを限られた時間内で、最大限性能を発揮できるように調整するだけです。

結論としては幸いヤマハのピアノなので、元々が比較的カワイとスタインウェイの間に近い調整なので、音やタッチ感のイメージはしやすいです。自分としてはイメージ通りに仕上がったつもりですが、さあ、仕上がりはどうだったのでしょうか、、、


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