やっと自由になれました!

この3年間知らず知らずの間に精神(技術者魂)が蝕まれていたことに気づき、このゴールデンウィークでやっと脱出できたようです。そう、例の流行病です。まあ、そんな大げさなものではないのかもしれませんが、 お客様のところで長時間マスクをして、しかも換気や会話に気を使ったり、速く仕上げて帰らないといけないというストレスは想像以上のものでした。要するにやる気、モチベーションの損失というやつです。ただのチューニングマシーンのようになっていました。

緊急事態宣言などが出た時は業界的には最悪でしたが、もう以前のように活動も再開してきています。その間、皆さんもいろいろなストレスと戦っていたように思います。コンサートも行きたくてもいけない、行きたくても延期やキャンセルになるし、ましてや声も出せない。いろんな気持ちとの葛藤や気遣いがあり人の多い場所に行けないストレス。このゴールデンウィークの人出の多さは皆さんの気持ちの爆発を表していたように思います。

はっきり言ってこの3年間は調律していて楽しいと思ったことはほとんどありませんでした。これは致命傷です。ですから、スピードチューニングという名のもとに、流行病もいい口実に、じっくりと満足いく仕事ができにくい状況でした。これは、この手の調律師が抱えていた問題だと思いますが、やっと、解放されたんですよ!!こんな嬉しいことはありません。


きっかけはありました。連休中にグランドピアノを20年ぶりに調律(調整)する機会があってピアノの状態は最悪だったけど時間を気にせずに、こちらの自由に作業が出来るというお仕事がありました。やるべきことを実施すれば、あの状態から劇的に良くなったのです。「ああ、これだ!この感覚なんか久しぶりだな!」

やりたいことをやりたい時間をかけて実施することができる。自分が持ってる最大の能力を利益も考えずに夢中になって仕事に専念する。これが、フリー調律師になった最大の意義なのでこれがなくなったらそりゃあ仕事もつまらない。やれと言われてやるのと、自分からやろうと思ってやるのとは全く違います。もちろん楽しい仕事ばかりではないけれど、やっていることは音楽そのものに関わっていることだから、仕事が楽しくなければ、いい仕事はできない!リミッターを外しました!!以前のように目の前のピアノを自分の最大限の技術を持ってしてただただいい状態に仕上げる。ただそれだけ、、、。やる気満々です!!!

どうやって抜け出したか?って、それはピアノの練習を毎日2時間以上しただけです、はい。毎日調律時にピアノには触れていますが、曲を弾かないような状態だとやっぱりつまらないものですね。感動を呼び起こす官能の部分がどうしてもかけてしまう。他の楽器や音楽そのものはやっていましたが、ピアノの演奏はあまりしていなかった。調律で毎日ピアノを触っているので、さらに演奏してまで鍵盤に触れたくなかったと言ってもいいのかもしれません。でもやはりピアノは自分にとっての原点。ピアノを練習している中で自分の中の何かが動き出しました。ピアノは脳トレにも最適だと改めて認識。脳の何かを刺激する効果はあると思います。他の楽器もいろいろしますが、ピアノという楽器はやっぱり自分にとって特別な存在です。


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