コロナ禍におけるピアノ調律の変化

 

去年と同じようにメンテナンスにお伺いしている中、コロナ禍で大きく変わったなと思うことがあります。

それは自分自身の調律や行動を含む全ての作業の時間がものすごく早くなったと言うことでしょうか。やはり、長居する方もされる方も嫌だろうなと言う意識もあって、無駄な動きがなくなりました。

昔は、調律や他の作業に何時間もかけて実施しているだけて、丁寧にしてもらったと言う評価をいただく傾向にあり、時には、不必要にゆっくりと作業していたこともあります。作業が終わったら必ずお茶やケーキなども出てきて、長時間世間話をして帰ると言うのが当たり前の時代もありました。

しかし、昨今の時代の変化、必然的なお客様層の若返り(ピアノを習う年齢層は基本的には昔からだいたい決まっている)と言うこともあって、徐々に玄関先でペットボトルをいただいて帰ると言うことも増えてきていましたが、コロナ禍でむしろこれが当たり前になりました。スマホが当たり前の時代になり、全てのものにスピードが求められるようになってきています。

昔は良かったとか、今がいいとか言っているのではなく、変化していくのはあたりまえだということです。スピードチューニングの技術は身につけていて良かったと本当に思います。あと気をつけることはゆっくり動いているようで実はスピードは速いと言うことでしょうか。これは演奏などにも言えることでしょうが、無駄な動きをなくすことに尽きると思います。動きがキレキレなら速いと言うことではありません。

この時期にこの気温の中、マスクをして作業していれば自然に身を守る行動にもなるのかもしれませんね。手抜きとの大きな違いは、やるべき、やれることをゴチャゴチャ言わずに淡々とやっていると言うことなのかもしれません。手抜きというのはやるべき、やれることをやらないことを言います。やりたくてもやれないこと(時)もある。それは手抜きではありません。


コメント