道具の使い方


少し古いピアノ。

「この一ヶ月くらいで、何となく音がこもって来た気がします」ということでした。まず、スピードが上がるタイプで一回目の調律で約40分でピッチを1Hz上げました。音は伸びますが、弾き方や人によっては逆にこもって聴こえる感じの音に仕上がりました。ここまでは予定通り。



次に、道具を変更してもう一度30分程かけて仕上げ調律。これで音が全体に太くなり、立体的な重心の低い響きと艶、キラキラ感が出ました。強弱による音色の変化もつけやすい。最終的には一番大切な、温度や湿度による影響を受けにくい調律になったと思います。

整音、ファイリング、塗装などと同様に、粗いものから仕上げには細かいものを使うという発想の応用です。タイプの違う道具の組み合わせで倍音も変わるので驚きの変化も楽しめます。

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