この調律に使用する道具は、アメリカ製で軽量タイプなのですが、音色重視の道具だと自分は思っています。
問題点は剛性感に乏しく操作性が非常に独特で、不安定な動作になりやすく、調律も狂いやすくなってしまうことだと思うのです。嫌いな調律師は全く受け付けないと思いますが、仕上がった音色の良さに惚れ込んで使われている方も多い様です。決して固くきつい音ではなく温かく太い音に仕上がりますので、これまでクレームがついた事はありません。ただ、狂っているピアノや張力の高いピアノは調律の持続性は不安定になる気がしますし、操作にかなりの慣れが必要です。モコモコピアノには向いていないようにも思います。
右の先っぽの部分(ヘッドと言います)これは長いのでますます剛性感がなくなり、しなって調律することになります。これは純正です。まん中も純正ですが、背が低いのでグランドピアノによっては鉄骨に当たったり、アップライトなら天蓋のところに当たることもあり非常に操作性が悪くなります。ただ、仕上がる音は右のものよりもきつめでシャープになり安定感は増す様な気がしますが、自分は独特の操作感に慣れるのにこれまた時間がかかりました。どちらも角度は10°です。基本調律用は、5°10°15°の三種類あります。
最近左のものを装着してみましたところ、非常に相性が良くて好みの音色と操作性になったのです。これは、2年程前にたまたま海外から直輸入した道具についていたもので、道具自体は全く駄作だった為にしまい込んでいたのですが、材質が違うのか音の伸びが素晴らしく、また、角度も12°くらいあって、長さも純正のちょうど間くらいになっています。これが抜群の設定で、調律の仕上げ微調整用の道具としては大変重宝しています。勿論、全く合わないピアノもあるので、限定的ではありますが、(ヤマハに相性がいい)最近のお気に入りです。。
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