輸入メーカー


愛媛県。島国の中の島国。ご家庭では基本的に日本の大手のメーカーのピアノが納入されており、調律のお仕事もほとんど2大メーカーのピアノを触ることになります。フリーという立場で、口コミ、ご紹介でお客様と接する事が多い私の場合ですと、その中でもより多く納入されているY社のピアノが日々の業務ではメインになってきます。

世の中にはそういったメーカーのピアノのタッチや音色が嫌いだと言う方もいらっしゃいます。どうしても好きになれないというものは、どうしようもありません。世界的にみると世界のトップでありCDやコンサート、コンクールでもほとんど使われているS社のピアノの音色もどうも好きになれないという具合にです。



つまり、逆の特性のものが好みで求めているものだったりするわけです。タッチの軽快さを求めないで重厚さを求める。キンキン、キラキラした輝きを求めないで、しっとりと落ち着いた甘い音色を求める。倍音がたっぷり聴こえるよりも基音重視の音色が欲しい・・と言った具合にです。だからこそ数多くのメーカーの存在があるわけで、すべての人が満足するメーカーなどないと言ってもいいと思います。

どうしても、メンテのしやすさ、慣れや勝手な思い込みなどが原因で、日々携わる事が多いメーカーを基準として考えてしまいがちですが、輸入ピアノの音に触れて、それを自分自身がしっかりと受け入れたとき驚くべき発見があります。「これは素晴らしいピアノだ!」といった感覚が起こります。もちろんヨーロッパ製にそれを強く感じますが、アジアのピアノだって感じる事は出来ます。先入観を捨てないと難しいのですが・・・

とにかく聞き慣れた音、タッチ、安心感やメンテのしやすさなどを考えますと無難な選択もありですが、本当に好きなものに出会ったらその時が「買い!」なのかもしれません。

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