ピッチって何ですか?ってよく言われます



ソメイヨシノも急激に各地で咲き始めました...





さて、今日のお仕事ですが、25年間調律がされていませんでした。ピッチを(音の高さ)を測定しますとA=430Hzくらいでした。グローバルな最低限の高さはA=440Hzは必要です。このように書いても、これがとんでもない状態であるという事が、調律師(あるいはチューナーを使う必要のある楽器を演奏する人)あるいは、音楽を勉強(理解)した方以外は全く分からない事でしょう。

この事は、ピアノが相当な「音痴」になっていたという事であります。この音痴の楽器を使ってレッスンを受けますと、音痴の音を覚えてしまい、音楽教育上非常に問題なのです。音痴の人は自分が音痴だと気がつくのはいつなのでしょうか?それは、歌が上手い人の曲を聴いた時でしょうか?それでもまだ気づかないのでしょうか?

何でもそうですが、「正しい状態」というものがどういうものかを知らなければ、永遠に気づくことは出来ません。

もちろん、今回の場合は、訳があって調律がされていなかったわけですから、その事に対して何か文句を言っているわけではありません。今回きちんと調律の必要性を理解されて調律のご依頼をしていただいたわけですから、非常にいい事なのですが、問題は、1~2回調律したぐらいではピアノの音痴は治らないと言う事が言いたいのであります。

音痴のクセが25年間かけてついているのですから、少々調律したぐらいではもとの音痴に逆戻りしてしまうのです。この事実はなかなか理解していただけない事でもあり、同業者もどのように伝えたらいいのか常に頭が痛い問題でしょう。

とにかく次回が大切なのです。次回はなるべく早い方がいいです。安定したちゃんとした状態に戻す必要があるのでしたら、1ヶ月後か、3ヶ月後くらいでもう一回調律、そして今回きちんと出来なかった整調、整音もそのときにきちんと実施するべきでしょう。ところが、自分自身も含めて調律師自身もそこのところを遠慮してしまっている現状があると思います。(わかりやすく説明するのがめんどくさい?それともあきらめているのか?)本当のことを言うとするならば、今回の3時間くらいの時間では、時間がたりません。毎年調律を実施しているピアノと比較しても「ほど遠い状態」なのであります。

幸い、修理が必要な状態でした。今月末にはアクション、鍵盤などをお預かりして作業場で修理する必要がありますので、お届けの際にはもう一度調律、整調、整音といった調整が出来ます。やはり、どうしても復活には時間がかかりますし、お金も(^^;)かかってしまいます。

今月末にはまたご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。今回ご依頼いただきましてどうもありがとうございました。

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