中古ピアノはどれがいい?ヤマハU3H編


「そのピアノの善し悪しは調律した瞬間にすぐに分る」とは調律師の間でも有名な言葉です。本当のことは技術者がいちばん知っているのですが、営業の立場、シガラミ、利益などがからんでくると本当に思っていることはいえないと言うのが実情でしょう。

私はヤマハの出身ではありません。それでもヤマハピアノは日本で一番売れているピアノなので一番多く調律しています。たまたまですが、この何日か代表的なヤマハのアップライトを調律したので、調律師の視点でしばらく勝手に主観で語りたいと思います。(どのメーカーにもしがらみはありませんが、あくまでも、一個人調律師としての意見です)

U3H。この写真のピアノは33年前の製造ですが、とてもそうは思えないほどコンディションが良くて、かなりいい音です。この音を聴いてこの時代のヤマハピアノの素晴らしさを改めて思い知らされて、ブログで語ろうとおもいました。ただし、アクションの修理は必須です。この頃のアクションはフレンジコードという部品がほとんど切れていることが多いので交換しないと本来の性能になりません。

そして、ハンマーファイリング(ハンマー削り)、整調、整音もお部屋の環境に合わせて毎年実施していますので、中古ピアノを購入の際はアクション関係もちゃんと修理、調整してあるかのチェックが必要です。

ピアノを売るために書いていることではなく、あくまでも調律した時に音の伸びが印象的だったので、これを参考にしていただければと思います。

U3Hは、ヤマハの代表的な131センチの高さのピアノで、大きめのタイプになります。U1タイプよりも10センチ背が高いので低音域の響きが豊かで、バランスも良く迫力があります。また、鍵盤の長さも長い(見えている部分は同じ)ので、タッチ感、コントロール性能が非常に優れています。

大量生産のピーク時に造られました。今では考えられませんが、売れ過ぎて、在庫待ちも多かった時代のもので、最高にコストパフォーマンスに優れたピアノだと思います。製造されていた期間も長く、製造年も幅があるので古いU3Hは「もう古い」という声もありますが、まだまだ素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。タッチは軽くて弾きやすく、音に伸びがあり温かく、非常にバランスのいい音とタッチだと思います。じつは、実家のピアノがこれでしたので、音もタッチも「懐かしいのに新しい」と言う感じがして、アップライトのなかでは、今でもダントツに一番好きなピアノです。

コメント