公開カルテ?

ご報告です。o様、今日はどうもありがとうございました。

高音部の音色の変化の一番の原因は、やはりエアコンです。スウィングさせた状態で実施。ピアノ内部のアクションの部分が前後、左右、上下に動きますが、全体と、個別に動いておりました。

複雑で、ベストポジションに持って行くのに時間がかかってしまいました(^^;)湿度が28%ですから乾燥のし過ぎです。乾燥し過ぎてパーツが部分的に動いていました。

この時期は加湿器が有効ですが、スチーム式、超音波式、気化式(ヒーターレス)と種類があり、試した事はないのですが、気化式がピアノ用にはいいとは言われています。スチーム式と気化式と組み合わせたハイブリッド式もあります。スチーム式などでは逆に湿気を吸ってしまい問題が起こるケースが多いようです。(我が家もこの時期過乾燥ですので、なんとかしないと、、、、)


エアコンの風が直接当たると言う事は、あまり熱くないドライヤーの風を遠くからピアノに向けているのと同じようなものですから、風の当たったところは温かくなり、エアコン切った時とのバランスが崩れます。低音側だけに当たっていましたので、オクターブは完全に合わなくなったりします。

これだけ急に冷え込んでエアコンの温度設定を上げますと、5分くらいで調律が終わるならともかく、1時間以上かけて調律をしますから、調律中も徐々に温度が変化しながら、しかもピアノの右左、上下、前後では温度差があり時間とともに常に変化するわけですので、終わったときにはすでに(余計に)狂った状態になります。今日は3回調律することになりました。自分の調律の後なら他の調整などを先にして調律はしばらくしないで温度の安定を待つ事もあります。

幸い、お部屋の気密性がいいのでエアコン切っても足下のヒーターのみで21度をずっとキープ出来ていましたので、お部屋がある程度暖まったらヒーターのみでピアノに向けずに使用される事をお勧めいたします。

ちなみに調律をやりはじめるときは温度17度で、最大は25度まで上がりました。でもそれは温湿計を置いているピアノ内部の場所の状況であり、ピアノの下はひんやり、ピアノの上部はあったく、ピアノの右側は冷たい状態でした。

2時間ほどでエアコンを切り、ヒーターのみで2時間ほど実施しましたが、後半は全体に安定して21~22度をキープ出来ていました。

お客様にいつも非常に申し上げにくい事ではあるのですが、調律の1時間前くらい(無理でしたら30分)には温度を安定させるために暖房機具などをつけていただければ、ピアノも調律も速やかに安定するので我々調律師は非常に助かるのでございます。コンサートなどでは照明を含む本番でのステージ上での温度環境になるべく近づけていただくようにして(想定して)仕上げないと悲惨な結果にもなります。

「なんだこの人いちいち相当細かいな〜」とこの仕事を始めた頃はこんな事をおっしゃっていた先輩方に対して思っていたことは事実ですが(笑)調律の最中たった2度でも温度が変わると狂い(1セントくらいでしょうか)は結構気になります。昔は気がつかなかったのか?いや、気がつかないことにしていたのかも?


一応、加湿器の参考アドレスリンクしておきます。


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