調律とエアコンについて



最初にお断りしておきますが、エアコンをつけたらいけないのではありません。つけた方が良い場合の方が多いです。調律している途中で温度が変わると、弦や部品の伸縮で即座に音程が狂い、もう一度やり直さないといけない場所が出てきて困るのです。2度以上調律の途中に温度が変わると場所によっては結構狂いが目立ちます。普段の生活や練習時などにエアコンをつけているのならつけた方が良いですし、冬と夏の温度差の事も考えたら、30度以上とか10度以下とかの出来るだけ極端な温度は避けた方が音は安定はします。(18〜25度くらいまでがいい)つまり、調律実施前にすでにピアノの置いてある部屋がその快適な温度になっているのが、ピアノのためにも調律師にも優しくて良いのですが(笑)なかなかこの事は言いにくいことですし、調律師によって、微妙に違うと思われるこのような悩みは、ご存じない方も多いと思います。ちなみに湿度変化の場合は温度変化ほど即効性はありません。

午前中はヤマハU3Hの調律。去年から自分がお伺いしています。購入後ちょうど30年経っていますが、コンディションはとても良いです。大人の教室に通われています。暑かったので、「あら、エアコンをつけましょう」と奥様に言われました。しか〜し、ここの環境はピアノにエアコンの強烈な風がどうやっても直撃状態なのです。これも、風があたる場所とそうでない場所では調律中にも温度差が生じるので不安定な場合があります。去年もエアコンなしで実施した事を覚えていたので、今回もなしの方が絶対安定すると思って、せっかくですがお断りしました。結果は大正解!例えば今33度あってエアコンつけて調律しながら最後は25度くらいまで下がるとします。やってるうちに1Hz以上は変化するでしょう。メーカー、機種、調律法の違いや鍵盤の場所によっては、それ以上だったりそれ以下だったり。終わってみればオクターブが合っていない様な状態になってしまうのです。経験で狂い方を判断しますが、結局二度手間になったりするので、暑いけど扇風機で我慢!

夕方は、ヤマハNo.U1。扇風機なしの環境なので、汗をぽたぽたピアノに垂らしながらの調律なので、現場見たら、きっと「ゲ〜ッ」です。気温は34度で調律していました。あと、2オクターブ残したところで奥様が来られ「暑いですね〜!エアコンつけます!」と来られましたが、「そんなに暑くないのでいいですよ!」と言ってしまった(苦笑)今からつけてしまうと、いやな狂い方をしそうだったので、我慢して実施しました。こうなると後は体力勝負ですが、ピアノの安定を選択しました。体力に自信がない時や、調律する前の時点や、残りあと少しの時はつけてもいいのですが、中途半端なタイミングのときは、困りますね、、、

皆様、よろしくお願いいたします(^^;)

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